記事一覧
- 「後期高齢者医療制度」とは何か、その概要と特徴。
- 「後期高齢者医療制度」、利用者が覚えておくべきポイント(1)
- 「後期高齢者医療制度」、利用者が覚えておくべきポイント(2)
- 「後期高齢者医療制度」、利用者が覚えておくべきポイント(3)
- 「後期高齢者医療制度」、保険料決定の仕組みと軽減措置
- 「後期高齢者医療制度」、追加見直し策の概要
- 「後期高齢者医療制度」、利用者として心配な問題点(1)
- 「後期高齢者医療制度」、利用者として心配な問題点(2)
・特定健診と特定保健指導 3分でポイント理解
・人間ドック はじめての受診 4分でポイント理解
「後期高齢者医療制度」、利用者が覚えておくべきポイント(2)
「後期高齢者医療制度」においても、現行の制度と同じく、医療機関で被保険者が受診した際に、かかった費用の1割(一定以上の所得・収入がある「現役並み所得者」は3割)を、窓口で支払うことになります。
その意味で、患者の窓口負担は、後期高齢者医療制度に移ったとしても変化はないことになります。
ちなみに70歳以上~75歳未満の「前期高齢者」は、患者の窓口負担は2割負担です。平成26年(2014年)4月以降に新たに70歳になった人から順次、2割負担が適用されています。
前期高齢者には「高齢受給者証」が配布されますが、医療機関の受診時は保険証と一緒にこの「高齢受給者証」を窓口に提示する必要があります。
「入院時の食費・居住費」も、これまでの老人保険制度から変更はありません。
すなわち、療養病床以外は食費として一食ごとに標準負担額を負担し、療養病床に入院の場合には、食費は一食ごと、居住費は一日ごとに、標準負担額を負担することになります。
また後期高齢者医療制度において受けられる給付は、それ以前の健康保険や国保において受けられるものと、基本的には変わりはありません。
一ヶ月の窓口負担額が限度額を超えて高額となった場合に、請求により限度額を超えた分が戻ってくる「高額医療費の支給」の制度も、同様に用意されています。
ただし新制度において、「高額医療・高額介護合算制度」が、新たに設けられました。
これは、同一世帯の被保険者において、「後期高齢者医療制度における患者負担」と「介護保険サービスの利用者負担」の、両方の自己負担がある場合において、これらの合算額について年度単位で上限額を設け、その負担を軽減するものです(申請が必要になります)。
自己負担の限度額を超えた金額が、「高額介護合算療養費」として支給されることになります。
ちなみに、「高額医療・高額介護合算制度」におけるこの年度単位の上限額は、一般で56万円、現役並み所得者は67万円、市町村民税非課税者は19万~31万円となっており、それぞれこの金額を合算額として超えた場合は申請することによって超過分が戻ってくることになるわけです。
以上のとおり、 「後期高齢者医療制度」、保険料の決定の仕組みと軽減措置 でもご説明した新制度開始時から設けられた「保険料の軽減措置」などもあり、スタート時の経済的な影響は限定的なものにとどまりました。
ただし先々の利用者負担については、中長期的に増加傾向が続くと見込まれています。
この点については、「後期高齢者医療制度」、利用者として心配な問題点(1) をご覧ください。