記事一覧
- 「後期高齢者医療制度」とは何か、その概要と特徴。
- 「後期高齢者医療制度」、利用者が覚えておくべきポイント(1)
- 「後期高齢者医療制度」、利用者が覚えておくべきポイント(2)
- 「後期高齢者医療制度」、利用者が覚えておくべきポイント(3)
- 「後期高齢者医療制度」、保険料決定の仕組みと軽減措置
- 「後期高齢者医療制度」、追加見直し策の概要
- 「後期高齢者医療制度」、利用者として心配な問題点(1)
- 「後期高齢者医療制度」、利用者として心配な問題点(2)
・特定健診と特定保健指導 3分でポイント理解
・人間ドック はじめての受診 4分でポイント理解
「後期高齢者医療制度」、追加見直し策の概要
平成20年(2008年)7月、"後期高齢者医療制度の見直し策"が決定され、平成20年度(2008年)・平成21年度(2009年1月~)の保険料が、軽減幅拡大の方向で見直されました。
以下の軽減措置を受けるために加入者側から特に行うべき手続きはありませんが(口座振替への支払の手続変更を除く)、詳細については、お住まいの地域の広域連合か市町村の担当窓口に確認してみるとよいでしょう。
【主な見直し策・平成21年度(2009年)以降の変更点】
(〔注〕制度のそもそもの仕組みや用語については、「後期高齢者医療制度」、保険料決定の仕組みと軽減措置 もあわせてご参照ください)
・平成20年度(2008年)の措置として、保険料の均等割額の「7割減」の軽減措置が適用されている人(年収168万円以下)は、その軽減割合を「8割5分減」に拡大しました。これは「2008年10月以降、均等割額の徴収を半年間(2009年3月末まで)行わない」という措置により、実質的に達成されたものです。
平成21年度(2009年1月以降)は、「75歳以上の被保険者全員の年金収入が、80万円以下(他に所得がない場合)の世帯」については、「均等割額」の軽減措置として用意されていた「7割減」が「9割減」となりました。
「平成21年度(2009年1月以降)の均等割額の軽減措置」は、世帯の所得に応じて、「9割・8.5割(本来7割だが、国の特例措置による)・5割・2割」の四段階になりました(なお平成29年度(2017年4月~)からは9割軽減は無くなり、本来の7割軽減になっています。ただし一部の所得の低い方のみ、均等割額の9割・8.5割の軽減措置が継続されます)。
・「所得割額」部分において、「所得金額」(「年金収入」ではないので注意)に応じた「4段階の減額(25%~最高100%)」が、平成20年度(2008年7月)の改正で新設されました。
この「所得金額」別の減額割合は、平成21年度以降(2009年1月~)の実施に向け、各地域の広域連合が決定することになっていました。
平成20年度(2008年)については、年金収入153万円超~211万円以下の所得の少ない世帯について「所得割額の一律50%を軽減」するという措置が設けられましたが、実は平成21年度以降にこれを選んで実施するか否かは、各地域の広域連合の判断にまかされていました。
しかし結果的にすべての道府県がこの「所得割額」の減額措置の実施を選択し、平成21年度(2009年)以降も上記の措置が継続されてきました。
平成21年度(2009年~)の所得割額の減額措置をまとめると、「所得金額が153万円以下の世帯はそもそも所得割額の負担は発生せず、153万円超~211万円以下の世帯の所得割額は5割軽減」となりました。
(ちなみに「所得割額の軽減措置の改正」により、平成29年度(2017年4月~)から基礎控除後の総所得金額等が58万円以下の人は「5割軽減→2割軽減」に、そして「平成30年度(2018年)からは軽減なし」になるので、ご注意下さい。)
・平成20年(2008年)10月の天引き分からは、本人の申請にもとづいて「一定の要件」に該当する方は保険料の支払いを「年金からの天引き」から「口座振替」へと変更できる改正がなされました。
しかし平成21年度(2009年1月)からは「一定の要件に該当しなくても」、原則としてすべての人が口座振替による支払が可能となりました(特別徴収から、普通徴収への変更)。なお変更手続きは、本人からの申請が必要になります。
年額18万円未満(月額1万5千円未満)の年金受給者の場合は、最初から年金からの天引き対象にはなりません(納付書か口座振替による支払)。
ちなみに口座振替へ切り替えても、年間の保険料額は変わりません。
配偶者や本人以外の親族が代わりに納める口座振替の場合、本人の後期高齢者医療保険料の金額を、口座名義人の社会保険料として、確定申告時に控除することができます。その結果、世帯として所得税や住民税が減額となる場合があります。