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「後期高齢者医療制度」、利用者が覚えておくべきポイント(1)



これまでサラリーマンなど給与所得者の扶養家族扱いとなっていて、保険料負担はゼロであった75歳以上の後期高齢者」は、この「後期高齢者医療制度」において、今後は自分で新たに保険料を負担しなくてはならなくなります。


そしてほとんどのケースでは、介護保険と同様に年金から天引きで保険料を徴収(特別徴収)されるため、つまりは「年金の手取り額が減る」ということになります。

 

後期高齢者医療制度


さて、「それでは保険料は、いったいいくらになるのか」が大きな関心事だと思いますが、保険料の納付額は、どの都道府県にお住まいかによっても変わってきます


なぜならば、「後期高齢者医療制度」の運営や保険料の金額設定は、全都道府県に一つずつ設けられた「後期高齢者医療広域連合」という新組織により、「都道府県単位で行われることになるからです。


各都道府県は、自らの足元の医療費水準などをもとにそれぞれ決めていくわけですから、今後の自治体内の財政状況や組織運営の上手下手によって、徴収される保険料の金額なども異なってきます(ただしひとつの都道府県内では、保険料率は均一となります)。

 

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平成21年(2009年)8月の厚生労働省の発表によると、2009年度の保険料負担は、全国平均で年間61,924円1ヶ月あたり5,160円)でした。


都道府県単位ではバラツキが生じるわけですが、一人当たりの年間保険料でもっとも高かったのは神奈川県の年間85,890円、逆にもっとも安かったのが秋田県の年間37,108円となりました。

この2つの県の間に生じた格差は2.3倍、金額的には年5万円近くの差が生じています。


最高の神奈川県に次いで、東京都は84,274円大阪府は76,833円となっています。高所得者が多く国からの調整交付金が減額され、結果的に個人の保険料への上乗せ分が多くなった地域です。

また一人当たりの医療費が高い地域も、一人当たりの平均保険料は高くなっています。具体的には、福岡県71,851円)、北海道62,217円)といった地域です。


ちなみに、保険料はこの「後期高齢者医療広域連合によって、2年ごとに見直されることとなってはいるものの、国や地方自治体の現在の財政状況と進む一方の高齢化を考えれば、すう勢として保険料が今後上昇していくことはほぼ確実で、下がる方向で見直されることは期待薄と言わざるを得ません。

 



【2018年4月 追記】

厚生労働省の集計・発表によると、2018~2019年度の被保険者の保険料負担は、全国平均で年間70,283円(1ヶ月あたり5,857円)となる見込みです。

都道府県の広域連合において発生した「剰余金」や「財政安定化基金からの交付」というプラス要因が、「1人あたり医療給付費の伸び」や「保険料軽減特例の見直し」といったマイナス面を抑え込み、前回改定に比べて伸び率は1.2%増と小幅に留まりました。


【2016年4月 追記】

厚生労働省の集計・発表によると、2016~2017年度の被保険者の保険料負担は、全国平均で年間67,904円(1ヶ月あたり5,659円)となる見込みです。

1人あたり医療給付費の増加傾向が依然続くなか、前回(2014~2015年度)と比べてほぼ横ばいとなっている主な理由は、保険料増加抑制のため各都道府県に設置されている「財政安定化基金」からの交付金の影響によるものです。

後期高齢者医療制度の平成28・29年度の保険料率について(厚生労働省)【PDF】


【2014年4月 追記】

厚生労働省の集計・発表によれば、2014~2015年度の被保険者の保険料負担は、全国平均で年間68,016円(1ヶ月あたり5,668円)でした。

前回(2012~2013年度)に比べて負担額が下がる県もありますが、全国平均ベースでは、1.8%の増加となりました。

全国47都道府県中27の都県において、保険料が上昇しています。東京都は前回比で4.5%増、大阪府は増減無しとなっています。

一人当たりの年間保険料が最も高いのは東京都で年間97,104円、逆に最も安いのは秋田県で年間38,460円です。

後期高齢者医療制度の平成26・27年度の保険料率等(厚生労働省)【PDF】




これまで他の健康保険や共済組合の被保険者(組合員)の被扶養者となっていて、さほど不便を感じていなかった75歳以上の人も、新たに保険料を負担しなければならなくなります。

当然ながらいきなりこのようなことになっては、家計への負担が急に重くなりすぎる...という話になりました。


よってこのような場合、「保険料の負担軽減の措置(「所得割額」が0円、「均等割額」が7割軽減)」が用意されています。


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