後期高齢者医療制度 5分でポイント理解 の記事一覧
- 「後期高齢者医療制度」とは何か、その概要と特徴。
- 「後期高齢者医療制度」、利用者がおぼえておくべきポイント(1)
- 「後期高齢者医療制度」、利用者がおぼえておくべきポイント(2)
- 「後期高齢者医療制度」、利用者がおぼえておくべきポイント(3)
- 「後期高齢者医療制度」、保険料決定の仕組みと減免措置
- 「後期高齢者医療制度」、利用者として心配な問題点(1)
- 「後期高齢者医療制度」、利用者として心配な問題点(2)
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「後期高齢者医療制度」は、平成20年(2008年)4月からスタートした、新しい医療制度です。
(なお、本制度の名称を「長寿医療制度」に変更する方針が示されましたが、制度の本質・内容になんらの変更もないことや、現在のメディアにおける名称の使用状況も鑑みて、当サイトでは引き続き「後期高齢者医療制度」を使用いたします。)
この制度は、75歳以上の高齢者を「後期高齢者」と呼称し、一定の対象層として独立させて、新しい保険システムのもとに組み入れるものです(ちなみに65歳~75歳未満の高齢者は「前期高齢者」に分類されています)。
ただし、65歳以上75歳未満でも、「寝たきり等の一定の障害がある」と広域連合から認定された方は、原則としてこの新制度に含まれ、「後期高齢者医療制度」の被保険者となります(「障害認定の申請の撤回」を申し出て、認められた場合を除く)。
「後期高齢者医療制度」の発足により、「後期高齢者」は、国民健康保険やサラリーマンの健康保険などの医療制度に入りながらも、老人保健制度からもダブルで医療を受けられるという、いわば共同運営的な現行の保険システムから脱退して、新たに「後期高齢者医療制度」に加入することになります。
国民健康保険の場合は、脱退の手続きは不要で、この新制度に自動的に移行となります。
なお健康保険の場合も自動移行ですが、前制度の脱退手続きについては、念のために保険者(健康保険組合など)に問い合わせてみるとよいでしょう。
平成20年(2008年)4月以降に、満75歳となる方については、「75歳の誕生日から」新制度の対象となりますが、同様に特に手続きなどの必要はありません。
ちなみに、「自分は脱退は嫌だ!」とごねてみたところで、75歳になった段階で新制度への自動加入という扱いですから、選択の余地などありません。
「後期高齢者」は平成20年(2008年)4月から、これまでの老人保健医療受給者証や被保険者証は使えなくなってしまいます。
ちなみに新しい被保険者証においては、被保険者番号も、以前の番号とは異なった新しい番号が付与されます。
新制度では、「後期高齢者」一人一人が被保険者となって、75歳以上の高齢者も、今後は市町村から支給される自分自身の被保険者証を一枚、持つことになります(ただし、「生活保護受給者」は被保険者からは除かれることになっています)。
ということはその保険料も、これら後期高齢者の方が、「自分で」納めることになるわけです。
原則として、平成20年(2008年)4月の年金支給分から年金の支払期ごとに、該当分の保険料が
自動天引きされて、年金の手取額が減ることになります。
平成20年(2008年)4月を迎え、新制度がスタートした今、すでにお手元に新しい「後期高齢者医療
被保険者証」が送られてきた「後期高齢者」の方が、ほとんどではないでしょうか(一部、いまだ
未着の方もいるようですが、その場合は市区町村窓口に照会してみてください)。
さて、なぜ、このような医療制度ができたのでしょうか。
そして今後、この制度によって、我々の家計にはどのような影響が見込まれるのでしょうか。
これらの背景には、みなさんもご存知の通り、日本の国家財政がひっ迫するなかでの「国民医療費の大幅な増加」があります。
平成18年度推計での国民医療費は、およそ34兆円。
そのうち高齢者の医療費は推定11兆円で、全体のおよそ3分の1を占めています。
なかでも「後期高齢者」層の一人当たり医療費は、現役世代のおよそ5倍かかっていると言われます。
それにも関わらず、健康保険や国保などそれぞれの保険制度のなかに「後期高齢者」層が含まれていたことから、現役世代と「後期高齢者」との負担関係がわかりにくくなっていて、国としても膨張する医療費の抑制がやりにくい構造が、これまでずっと続いていました。
また、高齢化社会が今後とも急ピッチで進む見通しに変わりがない以上、安定的で持続化が可能な
医療保険制度をつくらない限り、現在のシステムの部分的な手直しだけでは早晩限界がくる、との声が、大勢を占めるようになりました。
このような背景を受けて、国の医療制度改革の柱のひとつとして、この"後期高齢者だけを対象層として独立させ、医療給付を集中管理する"という、世界的にもほとんど類を見ない新制度が、いよいよスタートすることになったわけです。
次のコラムから、「後期高齢者医療制度」において、利用者の側として絶対におぼえておきたいポイントを、見ていきます。
【2008年6月9日 追記】
マスコミ報道等でご存知のとおり、現在は後期高齢者医療制度をめぐっての政府・与党と野党の対立が、ますます深まっている状況です。
一言でいえば、「現状の制度はこのまま維持し、保険料の減額措置を柱とする運用の改善でなんとか乗り切ろうとする政府・与党」VS「制度そのものの廃止を求めて引かない野党」、という構図になっています。
つい先頃、参議院では同制度の廃止法案が可決されたものの、このままいけば与党多数の衆議院で廃止法案が否決され、与党の運用改善案が再可決される公算が極めて高いでしょう。
(与党が現在提案している保険料の減額措置については、 「後期高齢者医療制度」、保険料決定の仕組みと減免措置 追記をご覧ください。)
制度の加入者からみれば、今回のゴタゴタで得られるのは、「保険料負担のいくらかの軽減」ということになりそうです。
このこと自体は、加入者の当面の負担が軽くなってよいニュース...とも言えそうですが、与野党ともに「軽減した分の穴埋めを今後どこで、どういう計画でやるのか?」については、見通しがたっていません。
また、今回の保険料減額措置により、予算ベースで2008年度は560億円、さらに2009年度以降は毎年330億円が必要と見込まれています。その資金も、一体どうまかなっていくつもりなのでしょうか。
「後期高齢者医療制度」、利用者として心配な問題点(1)でも記したとおり、世代ごとの負担割合が固定的な仕組みとして決まっている以上、最終的には「75歳以上の後期高齢者の負担増、すなわち保険料の増額で埋めるか、あるいは負担増を抑制するために、後期高齢者が受けられる医療の水準を下げていくより他にない」、となる可能性が極めて大きいと思われます。
そのたびに政治・社会問題となり、低所得者への追加支援策などがまた場当たり的に打ち出され、問題の解決が先のばしにされるだけでは、いずれ制度として立ち行かなくなるのは時間の問題でしょう。
今は、目先の保険料が上がった・下がったという面が、少しクローズアップされすぎの感があります。
「将来の後期高齢者層」を形成することになる前期高齢者・現役世代・そして若者層にとっても、今後の財源不足とその確保がどうなるのか、またどうすべきかについて、長い目線で注視する必要がありそうです。
【2008年4月10日 追記】
新制度がスタートした4月に入ってから、保険証が手もとに届いていなかったり、受け取ったものの新制度の保険証とは気づかずに廃棄してしまうケースが、全国的に発生しているようです。
このように、もし誤って廃棄してしまった場合は、市区町村に申請を行って、再交付してもらうことに
なります。
また2008年4月10日現在の報道によれば、厚生労働省はこのように新保険証が手もとになかったり、あるいは誤って捨ててしまった方のために、当分の間は古い国民健康保険証などで代用できるよう(つまり、窓口でいったん医療費全額を立替て支払う必要はなく、原則1割負担で済むことになります)、全国の医療機関に要請したとのことです。
さらに、すでに古い保険証もお手もとになく、また新しい保険証もない場合には、運転免許証などの生年月日を確認できる書類があれば、当面は従来どおり、原則1割負担で受診できるよう取りはからう、とのことです。
厚生労働省も、本制度の周知徹底が弱かったことを反省してか、柔軟な対応をとってくれていますので、新しい保険証がないので病院にはいけない...ということはまったくありませんので、この点はおぼえておきましょう。
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